序盤は面白かった。
文体は非常に村上春樹らしく軽快。内容も、冒頭の夫婦の別れのシーンは「ねじまき鳥クロニクル」などを思わせる。ただ、以前の作品より具体的に描写している印象。題名はファンタジーなのに、いつもよりファンタジーっぽさは薄い。(「ノルウェイの森」に比べるとファンタジー寄り、と書いている書評もあるようだが、本作の方がリアル寄りだと思う)
だが、リアリティが高まったせいか、主人公に魅力がなく見える。離婚を妻から言い出されるのも当然というか……。いや、本当は主人公自体は変わっておらず、書き方が変わっただけなのかもしれない。以前の村上作品の主人公が魅力的に見えたのは、その文体や、曖昧にぼかした書き方のためで、具体的に描けば魅力はなかったのかも?
一巻が終わっても悪くない、と評価。
ただ、性的な話が物語から浮いている気はするが、それも村上春樹らしいと受け止めるべきか。なんか、こういう風に性的な描写をいれなければ物語を描けない病、というのは時代遅れにも感じるのだが。
ただ、二巻、特に二巻の後半からはどうなのか。
ファンタジー的な描写はあっても良いが、そこで盛り上がっているかというと微妙なところ。必然性があって入れているというよりは、それ以外書きようがなくて(作者が描き方を知らなくて)入れているようにも見える。
神秘的な何かを「信じる」ことを強調する結末もどうなのか。「信じる」というより、状況に流されているだけのようにも見える。主人公が意志を持って信じているというよりは、流されるまま信じさせられているだけのような。
話題になっている南京事件の件(たとえばこのニュース記事)にしても、主人公以外の登場人物に喋らせており、受け身の書き方だ。主人公がその件に何の意見を述べず判断を下さないというのを、単に村上春樹らしいと言ってしまっていいのだろうか。
この物語では主人公が一貫して主体性を持たない。
絵描きの主人公なのに、絵の完成は自分で決定しない。完成したかどうかは、絵が教えてくれるらしい。
「……未完成と完成とを隔てる一本のラインは、多くの場合目には映らないものだから。しかし描いている本人にはわかる。これ以上手はもう加えなくていい、と作品が声に出して語りかけてくるからだ。」(p218 太字は原文では傍点)
いや、実際こう感じることもあるだろうし、この表現が間違っているとは思わないけど、実際には作者が判断しているのだ、と強調したい。こういう、「自分が作ったのではなく、作らされたのだ」みたいな物言いが恰好よかった時代もあっただろうけど、今書くのはちょっと言い訳じみていてみっともない。
村上春樹が現在もこういう気持ちで小説を書いているとしたら情けないと思う。
というわけで、作者がこの作品にある種のメッセージをもたせようと試みて書いたのだとしたら、説得力が薄く、まあ失敗していると思った。でもまあ、全体としてはこんなもの、まあまあかな、という感想です。
2017年3月8日水曜日
2016年12月7日水曜日
「純愛✕陵辱 コンプレックス」の最新話が!
ノクターンノベルズの話ですが、一年以上更新停止していた「純愛✕陵辱 コンプレックス」の最新話が投稿されたみたいです。後書きに事情が書いてありますね。
この作品は、面白い面白くないの問題ではなく、長期間、毎日これだけの文字数を投稿し続けたことが凄かった作品です。いまだにノクターンで最高文字数の作品。質が高かったとはいえないし、あまりエロくもなかったと思いますが、読める程度の内容を投稿し続けていました。ワンパターンはワンパターンでも、色々ネタを取り入れたりと工夫もしていたし。(「なろう」のランキングに入っている作品で、これより質が低いような作品も結構あるわけで……)
この更新停止中の間に、「なろう」の「サモナーさんが行く」に文字数では抜かれてしまったようですが、もし作者が以前のように投稿を始めればすぐ抜かすでしょう。それだけのエネルギーがありました。
この作品に期待している人はそれほどいないかもしれませんが、続けて欲しいと思っている人は多いはず。継続は力なりの典型ですね。
私も応援しています。頑張って欲しい!
この作品は、面白い面白くないの問題ではなく、長期間、毎日これだけの文字数を投稿し続けたことが凄かった作品です。いまだにノクターンで最高文字数の作品。質が高かったとはいえないし、あまりエロくもなかったと思いますが、読める程度の内容を投稿し続けていました。ワンパターンはワンパターンでも、色々ネタを取り入れたりと工夫もしていたし。(「なろう」のランキングに入っている作品で、これより質が低いような作品も結構あるわけで……)
この更新停止中の間に、「なろう」の「サモナーさんが行く」に文字数では抜かれてしまったようですが、もし作者が以前のように投稿を始めればすぐ抜かすでしょう。それだけのエネルギーがありました。
この作品に期待している人はそれほどいないかもしれませんが、続けて欲しいと思っている人は多いはず。継続は力なりの典型ですね。
私も応援しています。頑張って欲しい!
2016年5月16日月曜日
「なろう」作品の一話の文字数
なんとなく気になったので、「なろう」ランキングに入っている小説の一話の平均文字数を調べてみる。
とりあえず、累計ランキングと年間ランキングトップ5を。
平均文字数は小数点以下切り捨てです。2016/5/16時点
累計ランキングTOP5
「無職転生」 2,835,125文字 286話 平均9913文字
「謙虚、堅実をモットーに生きております!」 849,330文字 250話 平均3397文字
「八男って、それはないでしょう!」 2,313,398文字 181話 平均12781文字
「異世界迷宮で奴隷ハーレムを」 1,172,616文字 215話 平均5454文字
「ありふれた職業で世界最強」 2,236,863文字 212話 平均10551文字
年間ランキングTOP5
「蜘蛛ですが、なにか?」 976,760文字 402話 平均2429文字
「とんでもスキルが本当にとんでもない威力を発揮した件について」 492,656文字 180話 平均2736文字
「人狼への転生、魔王の副官」 904,711文字 275話 平均3289文字
「最果てのパラディン」 600,159文字 127話 平均4725文字
「10年ごしの引きニートを辞めて外出したら自宅ごと異世界に転移してた」 1,260,881文字 351話 平均3592文字
その他
「Re:ゼロから始める異世界生活」 4,768,996文字 430話 平均11090文字
「ウロボロス・レコード」 1,409,210文字 91話 平均15485話
「呪印の女剣士」 3,837,235文字 1259話 平均3047文字
「幻想再帰のアリュージョニスト」 2,714,259文字 157話 平均17070文字
----------------------------------------
というわけで。
やっぱり一話3000~5000文字程度に収めるのが読む上では気楽ですかね。
「無職転生」や「Re:ゼロ」や「ウロボロス・レコード」は面白く読めた(ている)けど、それでも、展開が遅い話だと長く感じてしまったのを覚えています。「八男って、それはないでしょう!」や「ありふれた職業で世界最強」は大体長く感じてきつかった……。
ストーリーや文章に自信があれば一話一万字書いても良いと思いますが、毎回それを続けるのは大変。どうしても説明会とか、あまり盛り上がらない話とかがあるはずで、そのとき読者を退屈させることになりやすい。一話3000文字程度の方が退屈せずさくっと読めるので良いのかな、と思いました。
たとえば、「人狼への転生、魔王の副官」。
これは、結構説明会も多いし、一回一万文字だと退屈なときもありそう。だけど、3000文字ごとだと、ちょっと癖になる主人公の独特な語り口のおかげで退屈せず読める気がします。説明会が続いても、説明にばかり気持ちがいかず語り口の方で楽しめるため面白く読めるのかな、と。
ちょっと説得力に乏しいですか。でもこんな感じじゃないかなー。
連載するときは一話の長さはこのくらいが良さそう? 私も連載するときはそれくらいを目安にしよう! あんまり長くしなくてもいいと思えば気も楽なので。
とりあえず、累計ランキングと年間ランキングトップ5を。
平均文字数は小数点以下切り捨てです。2016/5/16時点
累計ランキングTOP5
「無職転生」 2,835,125文字 286話 平均9913文字
「謙虚、堅実をモットーに生きております!」 849,330文字 250話 平均3397文字
「八男って、それはないでしょう!」 2,313,398文字 181話 平均12781文字
「異世界迷宮で奴隷ハーレムを」 1,172,616文字 215話 平均5454文字
「ありふれた職業で世界最強」 2,236,863文字 212話 平均10551文字
年間ランキングTOP5
「蜘蛛ですが、なにか?」 976,760文字 402話 平均2429文字
「とんでもスキルが本当にとんでもない威力を発揮した件について」 492,656文字 180話 平均2736文字
「人狼への転生、魔王の副官」 904,711文字 275話 平均3289文字
「最果てのパラディン」 600,159文字 127話 平均4725文字
「10年ごしの引きニートを辞めて外出したら自宅ごと異世界に転移してた」 1,260,881文字 351話 平均3592文字
その他
「Re:ゼロから始める異世界生活」 4,768,996文字 430話 平均11090文字
「ウロボロス・レコード」 1,409,210文字 91話 平均15485話
「呪印の女剣士」 3,837,235文字 1259話 平均3047文字
「幻想再帰のアリュージョニスト」 2,714,259文字 157話 平均17070文字
----------------------------------------
というわけで。
やっぱり一話3000~5000文字程度に収めるのが読む上では気楽ですかね。
「無職転生」や「Re:ゼロ」や「ウロボロス・レコード」は面白く読めた(ている)けど、それでも、展開が遅い話だと長く感じてしまったのを覚えています。「八男って、それはないでしょう!」や「ありふれた職業で世界最強」は大体長く感じてきつかった……。
ストーリーや文章に自信があれば一話一万字書いても良いと思いますが、毎回それを続けるのは大変。どうしても説明会とか、あまり盛り上がらない話とかがあるはずで、そのとき読者を退屈させることになりやすい。一話3000文字程度の方が退屈せずさくっと読めるので良いのかな、と思いました。
たとえば、「人狼への転生、魔王の副官」。
これは、結構説明会も多いし、一回一万文字だと退屈なときもありそう。だけど、3000文字ごとだと、ちょっと癖になる主人公の独特な語り口のおかげで退屈せず読める気がします。説明会が続いても、説明にばかり気持ちがいかず語り口の方で楽しめるため面白く読めるのかな、と。
ちょっと説得力に乏しいですか。でもこんな感じじゃないかなー。
連載するときは一話の長さはこのくらいが良さそう? 私も連載するときはそれくらいを目安にしよう! あんまり長くしなくてもいいと思えば気も楽なので。
2016年4月21日木曜日
手直し
今年は「なろう」で一個連載しようと思っているのだけれど、その前に、去年少しだけ連載していて途中で止まってしまった奴を完結へ持っていこうと思って手直しをしています。(一応、どの作品かは伏せておく)
改めて読み直すと……意外と面白い!
こうやって他人の小説のレビューをしている癖に、自分の小説に対してはどうしても甘くなってしまいます。普段小説を書くときって、「少なくとも、自分だけでも楽しめる小説を書こう!」と思って書いてます。だって、自分も楽しめないものが他人に面白いと思ってもらえるはずないと思うから。そのせいなのか、自分の小説を読み直すと、失敗したと思ったものでも意外と面白く読めてしまう。一年も経てば少し展開も忘れてきているし、客観的に冷静に読んでいるつもりなのに、どうもいまいち客観的になれていない気がする。
小説を書いている人の中には、(恥ずかしくなるから?)一旦書いた小説は絶対読み直したくない、なんて言う人もいるけれど、そういう人は読み直しても面白く感じないのだろうか? 自分ってやっぱり一番自分の趣味に合うものを書けるから、気恥ずかしくもあるけど面白いものに仕上がっていることが多いと思うんだけどなぁ。
改めて読み直すと……意外と面白い!
こうやって他人の小説のレビューをしている癖に、自分の小説に対してはどうしても甘くなってしまいます。普段小説を書くときって、「少なくとも、自分だけでも楽しめる小説を書こう!」と思って書いてます。だって、自分も楽しめないものが他人に面白いと思ってもらえるはずないと思うから。そのせいなのか、自分の小説を読み直すと、失敗したと思ったものでも意外と面白く読めてしまう。一年も経てば少し展開も忘れてきているし、客観的に冷静に読んでいるつもりなのに、どうもいまいち客観的になれていない気がする。
小説を書いている人の中には、(恥ずかしくなるから?)一旦書いた小説は絶対読み直したくない、なんて言う人もいるけれど、そういう人は読み直しても面白く感じないのだろうか? 自分ってやっぱり一番自分の趣味に合うものを書けるから、気恥ずかしくもあるけど面白いものに仕上がっていることが多いと思うんだけどなぁ。
登録:
投稿 (Atom)